ポリ (ビニルアルコール) (PVA) 水溶液を, 凍結状態のまま若干脱水・解凍し, ゴム状弾性体の生成することを見いだした (文献1). 同じくPVA水溶液に反復凍結を施し, ゴム状弾性体を得た (文献2, 3). これらは含水率70~85%に及ぶにもかかわらず, 一般のゴム同然の機械的強度を備える. これを3年間水中浸漬しても膨潤・溶解しないことを確かめ, 高含水ゴムと命名した (文献3). 医用材料への用途探索に努める (文献4~19) とともに, 長期 (9年間) の水中浸漬, 温水浸漬 (3年間) 結果から, ゲル化機構として, 高分子鎖の絡み合い点における微結晶形成を推察した.