食品衛生学雑誌
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Byssochlamys spp. 同定のための遺伝子指標の評価
渡辺 麻衣子加藤 裕子戸上 敬子山中 実喜子若林 佳子小川 裕由稙田 裕子後藤 慶一工藤 由起子天野 典英横田 明
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2008 年 49 巻 2 号 p. 82-87

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抄録

Byssochlamys spp. について,簡便,迅速かつ正確に種を同定するために有効な遺伝子指標を評価する目的で,26株のByssochlamys spp. および関連菌種の18S rDNA, 26/28S rRNA遺伝子D2領域およびlys2 の塩基配列を決定し,分子系統解析および相同性解析を行った.その結果,いずれの遺伝子を用いても,その塩基配列の相同性を指標として,それぞれの菌種あるいはグループを識別することができた.3種類の遺伝子のうち,最も優れた解像度を有するのはlys2 であったが,最も簡便に結果を得ることができたのは26/28S rDNA D2領域であった.また,分子系統解析の結果,Byssochlamys spp. とその関連菌種は再分類の必要性があることが示唆された.

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© 2008 公益社団法人 日本食品衛生学会
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