日本環境感染学会誌
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新型インフルエンザに対するプレパンデミックワクチン接種に関する意識調査
鹿角 昌平飛澤 知佳田中 健二中島 恵利子高橋 央齋藤 博
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2009 年 24 巻 3 号 p. 189-194

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抄録

  「新型インフルエンザに対するプレパンデミックワクチンの安全性の研究」への当院職員の参加意思の確認に際して,併せて接種同意・不同意の理由を調査した.全職員の66.6%が接種に同意し,同意理由の上位3項目が「他に適当な予防法がないと思うから」,「今後プレパンデミック・ワクチンを受けられるか分からないから」,「有効な予防法と思うから」であったことから,新型インフルエンザのパンデミックに対する危険性の認識や,その対策としてのプレパンデミックワクチンの有効性への期待は高い水準にあると考えられた.部門別の同意者の割合は医師,看護職員,コメディカルにおいて高く,患者と直接接する機会の多い職種であるためと思われた.部門別の同意理由では医師,看護師,コメディカル,事務部門においては「他に適当な予防法がないと思うから」と「有効な予防法と思うから」を合わせた比率が何れも5割前後であったのに対し,給食部門,その他部門では3~4割と相対的に低く,ワクチンに対する認識の度合いが職種により異なることが示唆された.また,全ての部門で「新型インフルエンザに感染すると思わないから」との不同意理由が見られたことから,今後の院内研修会等において,感染症に対する認識の更なる向上を図る必要性が認められた.

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© 2009 一般社団法人 日本環境感染学会
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